Monday, September 28, 2009

Traffic Jam at Sonar Baltimore (その2)

で、肝心のMMWはどうだったか、というと、イマイチ乗り切れない感じであった。今まで私が見て来た彼らのショーでは、3人の織りなす演奏は驚きの連続ってことが多かったし、自分の意思とは関係なく完全に「踊らされてる」ってくらい強い音楽を体験することが出来た。今回はその強さは無かった。

何がその日の演奏を左右するのかと考えると、3人のコンディション、方向性以外には、天候や音響などの環境と、オーディエンス、それからディレクション(会場またはオーガナイザー)などか。演者の能力を中心にその全てがバランス良く調和してないとダメなんだなと思った。

今まで私が見てきたMMWの公演は全て日本で、オーガニックグルーブ/TPCがオーガナイズだった。彼らの、特にステージ上の演者に方向性を示す手腕はすごい。それで生み出される音楽が好きで集まる観客の一体感もなかなか他では味わえないものだ。その全てが調和して醸し出すイベントそのものの雰囲気は独特で、好き嫌いも強く分かれるようなのだが、私がそこで味わって来た音楽体験の強烈さは他を圧倒する。

それに比べると、今回のTraffic Jam 2009は、イベント全体として私の好きな方向とは違った。それで逆に、自分の好む方向性を思い知らされる結果になったのだが。名前にあるように、結局、 Jamのお祭りだったのだ。MMWは「ジャムバンド」じゃない。先日訳したインタビューでも彼ら自身が困惑している様子が分かるが、彼らはジャムバンドに括られてそれなりにジャムバンドファンを楽しませることも出来るけど、それは必ずしも彼らが望むことではない。今回のショーはまさにそんな感じだった。お客もMMWも乗り切れてない。

おしゃべりしたデッド好きの観客は、今回のMMWに関して、「初めて見たけど、演奏がうまいね。でもどうもあともうちょっとというとこで踊り切らせてくれないというか、小難しいことをしてカッコいいかもしれないけど、気持ちよくない。オタクっぽいね。」というようなことを言っていた。また彼は、ストリングチーズインシデンツなんかが踊れて好きだと。

おそらくそんな感じの観客が大半だったんじゃないかな。MMWの時も最前列の観客は立ったまま柵にもたれかかって、あまり反応のない人々。二列目以降はそれなりに揺れるように踊っていたが、有名な曲(Chub subとか)が始まってもイマイチ歓迎してる感はない。もくもくとマリファナの煙はそこかしこで流れてくる。(メリーランド州なので室内は禁煙なんだけど、マリファナは暗黙の了解でOKのようで誰も気にする様子がない。)そもそも会場はガラガラといってもいいくらいの密度の低さで、その中でもMMWが好きで見に来てる人はほんの一握りと思われた。なんだか寂しかった。音を吸い込んでしまうんじゃないかってくらいの真摯なまなざしで彼らを見つめる日本の観客仲間が恋しいわ。

MMWのあとに演奏していたバンドを見たのだけど、加速するドラムにロックなギターに素朴な歌詞の歌、とろんとした目で満足げに揺れる観客、むせるマリファナの香り。ああ、これか。知ってるぞこれ。音も観客の盛り上がりも、驚きがない。だいたい先を予想できてしまう。予定調和なジャム、とは誰が言ったことか。確かに、危険の無い気楽なレクリエーションと思えば心地よいものだろう。特に友達同士でくさ吸って、ビールでも飲んでれば。観客もMMWの時より楽しげだ。でもなあ。私には退屈なんだ。

それをはっきり分かったのが、今回の収穫か。海を越えても同じだった。すぐに会場を後にし、雨の中1時間ドライブして家路についた。そして思い出したのは、ちょっと前にうっかりJam cruise 2010のチケットを買ってしまっていたことだった。今ならはっきり分かる。私が欲しいのはそういう楽しさじゃないんだ・・・というわけで、このチケットを売らなきゃ! 3000ドル以上するチケットを売るのは簡単じゃないだろな・・・ふぅ。

次は11月のMMW at Nokia Theater in NYCに期待です。

Friday, September 11, 2009

Traffic Jam at Sonar Baltimore (その1)

先週の日曜(9/6、祝前日)に、ワシントンDCから60kmほど東にある街ボルチモアで開催されTraffic Jam 2009というイベントに行って来た。ウェブサイト地味過ぎで全貌つかめないまま。

MMWが出演するので参加を決めたんだけど、他の出演者は全くしらない・・・:

Leftover Salmon, Medeski, Martin and Wood, Papa Mali, The Lee Boys, Great American Taxi, Bobby Lee Rodgers, The Travelin McCourys, Dumpstaphunk


今まで6回くらい日本でMMWを見ているのだけど、最後に見たのも3年前だし、はっきり覚えていない。だから残念ながらちゃんと音楽の論評は出来ないんだけど、もろもろ感想はあるのでレポートしておく。

まず会場はこんな感じであった。


これが会場であるナイトクラブの入り口付近。左側の建物が会場のクラブ。出店がいくつか並んでいます。ボルチモアのインナーハーバーという、商業地域として再開発されてにぎわってるあたりから6ブロックくらいかな。ダウンタウンの一角といえるが、人通りもまばらで、この場所だけ人がいて目立っている感じ。

こんな風に。

店の前は公道なんだけど、封鎖している。このせいで辿り着くのに随分遠回りすることになった。


ステージは二つで、これは大きい方。MMWの予定時間の20分前。がらがら。
始まる頃には150人くらい人が集まっていたけど、一番人がいたときでも200人か、多くても300人はいってない感じだった。

お客さん全体でもせいぜい400人くらいしかいなかったんじゃないかと思う。フェスというには地味過ぎる雰囲気。ボルチモアの土地柄が関係しているのか。

その2に続く。

MMWに関してはこちら;
http://www.mmw.net/
http://www.myspace.com/medeskimartinandwood
http://room1268.blogspot.com/2009/08/la-times-interview-with-mmw.html

Thursday, September 3, 2009

Golf

涼しくなってきました。