Thursday, August 27, 2009

気合カレー

I made curry for dinner. Chick peas, chicken, eggplant, zucchini...etc.


今日の夕食は、カレー。主な具は、ひよこ豆、鶏肉、なす、ズッキーニ少々。

トマトを入れ過ぎて、スパイシーなラタトゥユみたいになっちゃったけど、うまし。


六本木のグランドハイアット向かいにあるスパイス屋(リンク)に行き、何となしに棚を見て回っていたら、モニタでyoutubeを見ていたインド人店員が私に声をかけた。何か探してる物はあるか、と聞くので短いおしゃべりをした。「スパイスは一通り持っていて、いろいろカレー作ってみるんだけど、どうも美味しく出来上がらないんだよね」と私が言うと、彼は「気合いじゃない?」と言った。一度は我が耳を疑ったが、私が「え?」と言うと彼は「気合いが足りないんじゃない?」と言って笑った。

気合い。足りなそうに見えたんだろうか。きっとそうだろう。料理のレシピというのは、心持ちについては書いてないことが多い*。そこで、普段はテキストのレシピだけで十分と思っていたのだが、試しにそこにリンクされていたyoutubeのビデオを見た。(リンク

驚くべきことは、その豪快な火力であった。火をつけてから完成まで、ノンストップでフル強火。確かにこれは、気合いである。ことこと煮ながら時々混ぜる、なんて悠長なことは言ってられない。すぐ焦げるので、頻繁に底からかき回さなきゃいけないし、熱い。ぐつぐつ煮え立つのでカレーは豪快に飛び散る。

日本の料理ってのは、水に海藻のミネラル分をいかに移すか、みたいな、繊細さが勝負なとこが大きい。水が軟水であることも重要な背景だろう。そんな(世界的に見ると)マニアックなまでの深い気配りでバランス/和を求めていくイメージだ。液体を強火で煮立たせるなんてことは、和食ではそもそもまず無いんじゃないかしら。

最初に鍋に入れる油を、自分の常識に照らし合わせた量に減らさず惜しみなく入れ、その油でみじん切りたまねぎを半分揚げるようなつもりで炒める。そして、鍋はだが焦げ付かず、しかし具が壊れず原型を留めるギリギリのラインで掻き混ぜながら、できるだけ短時間で煮込む。(ちなみにインドでは料理も鮮度が大切ということで、作り始めてから数時間経っているものは食べないと聞いた。カレーは翌日の味がしみたのが美味しい、なんてことはインドでは無さそうなのである。)その2点を変えてから、私のインドカレー作りは満足に大きく一歩近づいた。

今日のカレーも、いくつか反省点はあるが美味しかった。冷房のしっかり効いたアパートのキッチンでインド人のお言葉を思い出しながら、私なりのせいいっぱいの気合いで作ったカレーを、白人の旦那とフォークで食べた後は、キッチンに跳ね飛びはねた油汚れを丁寧に拭く。そして一息。自分にあまり無い要素をひっぱり出すのもまた、料理の醍醐味である。

ちなみに主な具材の他の材料はこんな感じ:オリーブオイル、たまねぎみじん切り、にんにくおろし、食べかけマンゴーちょっと、羊乳ヨーグルト、水、トマト、トマトピューレ、クミン、ターメリック、レッドチリペッパー、コリアンダー、シナモン、ローリエ、胡椒、塩。

*心持ちについて触れているレシピは、辰巳芳子さんがたくさん出されている。辰巳さんの本は料理研究家というより料理哲学者という形容が似合うほどの、深いメッセージに満ちており、多くを学んだ。料理への姿勢のみならず、生活の中での料理の位置づけ、生きることと食そのものとの関係、など、学問やいわゆる教育から抜け落ちてしまった重要な文化としての食について考えるきっかけになった。


追記:こんなものを発見した。とびちらない「インドカレーなべ」

http://blog.chefhariom.com/?day=20080725

欲しいかもこれ。てか同じシェフのブログだw

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