Monday, April 5, 2010

映画の楽しみ方(続・ハートロッカー)

先日のハート・ロッカーについての投稿に、面白いコメントを頂いたので紹介します。

町山智浩さんがハート・ロッカーを紹介したポッドキャスト。
http://www.tbsradio.jp/kirakira/2009/07/2009731-1.html

ライムスター宇多丸さんがハート・ロッカーについて語ったポッドキャストがこちら。
http://podcast.tbsradio.jp/utamaru/files/20100320_hustler.mp3
(TBS RADIO ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル、第154回(2010年3月20日)放送のザ・シネマ・ハスラー)

で、その宇多丸氏の評に対してtwitter上で町山氏から突っ込みが入って、宇多丸氏の番組に町山氏が電話で参加する形で実現した対談がこちら。
http://www.tbsradio.jp/utamaru/2010/03/1552010327.html
(下の方にスクロールして下さい。3編に分かれてます。)


対談は1時間以上もあって、聞きごたえあります。宇多丸氏は「ハート・ロッカー」のストーリーと終わり方について「これでいいのか?」と思いつつ「楽しんでしまった後ろめたさがある」という感じでとまどい、作品の分かりにくさを指摘しています。それに対して町山氏は「明らかに作者の意図は反戦」、「あからさまに戦争を批判するとアメリカ国内で叩かれるので遠回しな表現をしている」、「分かる人には分かる」、「評論家としては『分からない』じゃなくて、その意図を汲んで伝えるべき」などなど。聞けばどちらの意見にもうなずけます。特に町山氏はアメリカに住んでアメリカに納税しているので、アメリカ人の感覚により近いはずと思わされます。


それから、映画監督の黒沢清氏がハート・ロッカー(とアバター)についてコメントしている動画がこちら。
http://www.ustream.tv/recorded/5225458
(国際シンポジウム「クール・ジャパノロジーの可能性」2日目。他に東浩紀、村上隆、宮台真司などが参加してます。)


「ハート・ロッカー」について黒沢氏、「最低の映画」と言い切っています。ここまで迷いがなく否定するのは清々しい。(該当部分は22分目くらい。「アバター」の感想は17分目くらい。)

この動画は、他の部分も面白いです。村上隆氏が自身の戦略について語っていたり、宮台氏が黒沢氏の映画について「リア充批判ですよね」とまとめていたり。


語る気にもならない映画のが多く公開される中で、「ハート・ロッカー」が人に何かを考えさせる、言わせるパワーがある映画だということは確かなんだと思い至りました。こうして見た人が議論する、それだけでも価値のある作品じゃないかな、という気がします。うまくまとめようとしたワケじゃないんですが。そういう楽しみ方も映画にはあります。

個人的には、宇多丸氏のとまどいに共感できますが。

No comments: