Monday, October 5, 2009

The Inn at Little Washingtonに行ってきた(その1)


(宿泊するとこんな眺めらしい。)


結婚した日の夜、記念ディナーでThe Inn at Little Washingtonというレストランに行ってきた。ワシントンDCから車で1時間ほどの、国立公園にほど近いLittle Washingtonという小さな町にある。正確にはその名の通り宿泊施設なのだが、我々のように夕食だけとることも出来る。紛れもない高級店であり、旦那とその母と私の3人で計1500ドル弱を支払った。普段の食事では1人100ドル(または1万円)を超えるとかなり特別感があるので、この予算の店がポンと選ばれたことで結婚というイベントの大きさを感じるというものである。(人ごとっぽいね。)

このレストラン、DC近辺で知らない人はいないというくらい有名で、Zagat Survey DC版では14年連続総合ランキング1位らしい。日本で有名なミシュランの星は取ってないが、Mobileの同じ主旨のランキングで歴史上唯一、宿泊部門と食事部門の両方で五つ星を取ったホテルらしい。またInternational Herald Tribune紙、Travel & Leisure Magazineでも世界のトップ10レストランに選ばれている。(英語版wikipediaに拠る。)

「是非また行きたい」というほど気に入ったわけではないが、なかなか貴重な体験だったし、この有名レストランについて日本語で説明しているウェブサイトも見当たらなかったので、レポートしてみる。私なりに、であるが。まずは料理と、それから全体について。

まずは料理だが、選べるメニューは2つのコース。7品から成る完全おまかせテイスティングコースと、それぞれ選べる4品コース。我々はテイスティングコースに、おまかせのワインペアリングも頼んだ。1品ごとにグラスでワインが出てくる。

正直に言って、味はまぁ・・・残念。まず最初に出てきたパンを食べた瞬間から、あら?と肩すかし笑いを思わず浮かべてしまった。7品もあるのでセーブして食べ過ぎないようにしていたのだが、どの皿も食べ切る前に、我慢せずとも箸を、いやフォークとナイフを置くことが出来てしまった。おかげでデザートまで終えても腹9分目くらいの余裕であった。

料理の基本は、モダン・アメリカン。つまり各種西洋料理をベースに、世界各地の影響を受けた味付けである。しかし、皿の構成はクリエイティブでそして何しろ手間がかかっている。テイスティングコースに無く4品通常コースにあったメニューでどうしても気になったので追加で頼んだラムのカルパッチョを例に取る。



薄切りのラム肉が敷き詰められ、その上にはクルトン、輪切りの玉ねぎ、ケーパー、そしてシーザードレッシング味のアイスクリーム。その横にパルメジャンチーズをまぶしたロメインレタスが1枚。つまりラムのカルパッチチョに、再構築したシーザーサラダを混ぜ込んであるのだ。で味はというと、もし日本のチェーン系イタリアン(グローバルダイニングとかの)で出されたら感心はするがひどく驚くということもないな、という程度。想像しやすいように日本のレストランの例を出したが、アメリカでも(ずっと安く)もっとおいしいものをたくさん食べたことがある。


(これは、魚介のマリネや寿司をアレンジした前菜のひとつ。)

どの品もアイデアはユニークで、手は混んでいて特別感は確かにあるが、その見た目の印象とそこからの期待をおいしさが超えることは無かった。7品(実際には追加があって8品くらい)もあって、ひとつも感動しなかったのは予想外であった。数品コースの高級な食事では、1品くらいはため息の出る料理を期待するものである。

じゃあ何でこの店が有名で、印象深かったのか、っていうことについては、その2に続く・・・

ちなみに私の味の好みといえば、料理の最高峰は寿司と蕎麦なんじゃないかと心の底では思っているほどの江戸っ子具合で、そのうえ胃が弱く肉にはあまり興味がないときているので、その辺のかなりの偏りを考慮に入れて頂きたい。

2 comments:

Unknown said...

うふん。こういう日常からはるかかけ離れた場所(金銭的にもだけど)を体験するのって人生で何回もは必要ないけど楽しいよね。
こんなんもありました。やはり特別な場所なんだね~

http://www.museny.com/essay&diary/mag48.htm

アメリカなら、Kitchen confidentialのGlobal Adventures in Extreme Cuisines の方で最後に出てくるお店(名前忘れた)に行ってみたい…

MAR

山平宙音 said...

おおMar、コメントに気づかなかったわ。
ちょっと昔なら、もっとおいしかったという説があるんだよね。まあ、知名度にともなって味が落ちるのは良くあることよね。
どこだろねそれ。キッチンコンフィデンシャルのアンソニーボーデインのテレビ番組よく見てるよ。
旅番組なんだけど、DCの回をこのあいだ見たので今度レポートしてみる。