Wednesday, January 27, 2010

どの魚を食べようか

よく行くWhole Foods Marketというスーパーマーケットに、客からのコメントや質問に店員が答えた用紙が張ってある掲示板を見つけた。眺めていたら面白いやりとりが。


オレンジ・ラフィー(という魚)を、魚コーナーのセレクションに加えてくれませんか? という客のリクエストに、店員がこう答えている(要約)。「オレンジ・ラフィーおいしいですよね。でも成長の遅い魚で、漁獲し過ぎで数が減っているんです。それからこの魚の一般的な捕獲方法は、海底深くでトローリングするので海底の環境をかなり破壊してしまうんです。レッド・スナッパーかグルーパー(どちらも魚)を試してみて下さい!」(注:オレンジ・ラフィーはタイ系の魚らしい。見たことはあるが食べたことがない。)

魚に限らずこの店は、一般的なアメリカのスーパーに比べて品質基準が高い。だから美味しいものが多いので通っているだが、環境への配慮がこれほど店舗の店員まで行き届いているのかと感心した。

↓かなりでかい魚も。



で、そのあとちょうどこの店で買った雑誌を眺めていた。「Eating Well」という、「おいしい+健康」に関する雑誌。この「If you love This Fish, Help Save it!」(その魚が好きなら、守りましょう!)というサステナブル(sustainable)なシーフードの扱いに関する小さな記事。



この魚をもったおじさんは、アルトン・ブラウン(Alton Brown)。ひとことで肩書きを考えてみると、「科学ギーク系料理研究映像作家」。私もファンです。今度改めて紹介したいけど、彼は10年くらい続く自分の番組も持ってる他、アメリカ版料理の鉄人の解説者もやってる。で、この人をはじめとした有名シェフたちが、アトランティック・サーモン、輸入エビ、チリアン・シー・バス、あんこうなどを始めとした、種として数が減っている魚・シーフードを食べることも料理することも止めたんだそうだ。他にもこの不買運動(不食運動?)には人気の料理雑誌などが参加している。それから、あのWal-Martはなんと2011年から、Marine Stewardship Counsilという認証機関が認める野生の魚しか仕入れないと決めたんだそうだ。

1990年にも同じような運動が大西洋のカジキマグロ(Atlantic swordfish)に対して起こって、近年ではカジキマグロの数は増えたらしい。最近ではモナコが、クロマグロ(bluefin tuna)の捕獲を国際的に禁止しようと提案しているとのこと。

環境、サステナビリティー的にどの魚が危なくて、どの魚が安全なのかということについてはseafoodwatch.comのリストを参照できるとのこと。(まだ確認してないのですが。)


海洋汚染や乱獲の問題は耳にしていたけど、実際にそれに対して何をするべきか、何ができるのか考えてみたことはなかった。(気にはなっていていつか勉強しようと思っていたんだけど。)魚大好き島国日本人としてはちょっと恥ずかしい。まぁでもずーっとサステナブルに食べてきた海の民族だからしょうがない。認証機関や捕獲のルールが作られていく時期なんだろう。ウォッチ開始します。

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