Sunday, January 10, 2010

ひとりオーケストラ/That 1 Guy

そしてその日のメインアクトThat 1 Guyさんは、声と足下のループペダル類、手作りの楽器、そしてその他色々な楽器で演奏します。目指すは自身曰く”one man orchestra"’(ひとりオーケストラ)。ルーツはコントラバス/ウッドベースにあり、学校で学んだあとミュージシャンとして活動後、The magic pipeと呼ばれるこの楽器を作ったそうです。

このビデオはインタビューなども含むのですが、46秒目くらいから、演奏風景が見られます。(最初の16秒くらいはCMです。)


パイプを組み合わせて、そこに弦をはり、またセンサーやボタンが仕込まれていて、それぞれ反応するとサンプリング音源が再生されたりという、作った本人にしか演奏できそうにない楽器です。それを、手で弾いたり、ドラムスティックで叩いたり、ノコギリでこすったりして演奏します。他にも、ブーツを改造した楽器(the magic boot)などもあり、手品など小道具を使ったり、レーザー光線とミラーボールも同時に操作したり、いろいろ仕掛けがあります。

全く知らないアーティストだっただけに、1曲ごとに「なんじゃこれは?!」と驚かされ、拍手して大笑いしてました。こんなに変てこなのに、奇をてらっている感じや小難しいモダンアートっぽさは無く(ユーモアはある)本人至って真剣、そして楽しそう。ジャズベーシストとして活動後、普通のベースで出せる音に限界を感じて楽器を作ってしまったわけで、根底には音楽がしっかり流れています。彼が常に笑顔でオーディエンスの反応をいたずらっぽく見ているのも盛り上がります。これは、実際にライブで目撃しないと楽しさが伝わらない。

ですが、いくつかyoutubeで見つけたビデオを並べておきます。その1:30分間のスタジオライブ。その2:トランプで演奏(ビデオに含まれていないけどイントロで手品。)その3:PVも作っていたりする( "Mustaches" という曲。この曲をライブで演奏するときは、付けヒゲを付ける。)

そしてThat 1 Guyがライブ中と後に何度も口にしていたのが、"Thank you for supporting live music"。ライブ音楽を支援してくれてありがとう。「僕の音楽を」でも「音楽を」でもなく、「ライブ音楽を」です。

CDやレコードやMP3で流通する「録音音楽」と、生でパフォーマンスされる「ライブ音楽」、この二つは、密接に結びついた別の文化という気がします。同じ音楽というカテゴリーでありながら、必要なスキルも志向も、楽しみ方も大きく違う。録音音楽はパッケージ化した商品として広く流通しやすいので、私も子供の頃から聴いて楽しんできました。でもライブ音楽の本当の楽しさを知ったのはここ数年のことです。

みなさんは、ライブ音楽がお好きですか? 

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